珈琲の自家焙煎方法
手間はかかりますが、透明感と
甘みを感じるコーヒーが格安で飲めます
Roasting coffee in a stainless steel pot

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準備完了
整腸剤として
飲まれているコーヒー

 アンデスの無医村で、空き缶でコーヒー豆を煎っている様子がテレビで流れました。20年以上前になります。焙煎を始めた最初の3年間は小さな素焼きの焙煎器でその都度煎っていたのですが、あまりにも時間がかかる為に暇な時にしかコーヒーは飲めませんでした。空き缶で煎るのを参考にして大鍋で煎るようになり、毎日コーヒーが飲めるようになりました。
自家焙煎に必要な道具
 ステンレス大鍋、カセットコンロ(中国製でレバーを下げてボンベを装着する製品がお薦めです)、柄の長いシャモジ2本、口径が同じで深さの違う網籠を各1個(四隅にリングを付けロープで繋ぐ)、扇風機、軍手、タオル、ブロアー(強力送風機)、延長コード、カセットコンロを置く台、座る椅子。
自家焙煎に向いているコーヒー生豆
 小粒で、味と香りの評価が高いものが自家焙煎に向いています。 誰でも知っている有名なコーヒー豆は粒が大きくて高価です。私が使用している生豆は粒が小さいピーベリー種です。香りが良くて美味しいのですが、基本的に奇形なので安価です。 現時点で購入可能なピーベリー種はブラジル産だけです。焙煎しやすくお薦めです。
生豆
生豆は長期保存が可能
 生豆を5〜10kg単位で購入すると1kgあたり1,000〜2,000円です。焙煎コーヒー豆は200gが1000〜1500円ですから、随分安くなります。常温で3年間保存可能ですが、10kgが2,5〜3ケ月で無くなります。
大鍋が煎り易いです
一度に1.5〜2kg煎ります
 120万円もする焙煎機でも、一度に煎れるのは1kgです。2000年から始めて色々と試行錯誤し、大鍋で煎ってから網籠に入れて、ブロアー(送風機)で急冷させる現在の方法に到達しました。
豆の選別はしません
 最後にチャフ(薄皮)を全てブロアーで吹き飛ばしますので、雑味の無いすっきりした味になります。拘る人は焙煎の前にクズ豆を選別して捨てていますが、この方法なら全ての豆が使えます。
手を休めずに掻き混ぜます
気長に煎ります
 ガスコンロに点火したら両手にシャモジを持って絶え間なくかき回し、殆どの豆が褐色になるまで煎ります。その間はトイレに行きたくなっても、携帯が鳴っても手を休める事はできません。 煎り過ぎると炭化します。最初は中火で、煙が出始めたら弱火にして、多くの豆が膨らむまで気長に混ぜます。
扇風機
扇風機は必需品
 白い煙が出始めると、痛くて目をあけている事が困難になります。扇風機で煙を散らすと煎り具合を確かめる事ができます。USB電源の製品がネットで入手できます。
業務用の米研ぎ網
業務用の米とぎ用の網(下)は頑丈でマメを沢山入れることが出来ます。
渋皮が飛び散っています
ブロアーはホームセンターで購入できます。短時間で冷やすのに丁度良い風量です。
焙煎の手順
@網籠の深い方に生豆を70〜80%程入れます。(焙煎すると豆が膨らみますので、 最初に満杯に入れると膨らんだ豆が籠から溢れてパニック状態になります)使用している網籠で約2kgになります。
A鍋に生豆を移し、カセットコンロに乗せて点火します。最初は中火で煙が出始めたらすぐに弱火にします。
B両手に軍手を嵌めて、2本のシャモジでひたすらかき混ぜます。
C全ての豆が褐色になったら焙煎完了です。
D間髪を入れずに豆を網籠に移し、大急ぎで蓋をし四隅をロープで結んで、 豆が飛び出さないようにします 。 のんびりしていると焙煎がどんどん進みます。
Eブロアーのスイッチを入れ、噴出し口を網籠に押し付けると、風圧で熱い豆が吹き上がって籠の中で勢いよく踊ります。渋皮(チャフ)が剥がれて、網の隙間から噴出し、頭の上から降りそそぎます 。首筋に入るとチクチクしますので、前もってタオルを首に巻いておきます。
F風をあてる場所は何度も変えて、常温になるまで根気よく冷まします。
G冷めた豆を密封容器に移して、家庭用冷蔵庫の冷凍室で保管します。
何故急冷させるのか
  ブロアーで急冷させるのは10年程前のテレビ番組で、ハワイ島のコーヒー園に日本人タレントが訪問し、焙煎が終わった途端に送風筒まで全力で走ったのがヒントになりました。 自然冷却させると折角の良い香りが、かなりの割合で抜けてしまうとナレーションが流れていました。
  ※渋皮(チャフ)が残っている方が好きだと言う方もおられます。当方の技法はチャフを取り除きますので、酸味などはストレートになります。このへんは好みの問題になります。
密閉壜に詰める
 家庭用冷蔵庫の冷凍室に保管するには、バネ式の蓋が付いたガラス瓶が便利です。2kg焙煎すると大きめの蓋付ガラス瓶3個強になります。小出し用には、タッパー容器か小型の蓋付ガラス瓶に入れると便利です。
二枚の刃で粉砕します
自家焙煎すると、どうしても浅煎りの豆が混じりますので手動のミルで挽くのは大変です。 Kalita 電動コーヒーミル CM-50・・・50gまで。二枚の刃で粉砕する為に、音が静かで短時間で挽けます。 各種のミルを使用しましたが、これで挽くと美味しくなります。
コーヒーのいれかた
器具や方法は色々ありますが、無漂白の紙フィルターを通すドリップ式が最も美味しくなるように思います。
@焙煎した豆を細か過ぎず、荒過ぎずに気をつけて挽きます。(10〜14秒)
Aドリッパーの壁面にペーパーフィルターがピッタリ付くように広げます。
B粉が平らになるように、ドリッパーにトントンと振動を加えます。
C沸騰したお湯に少し冷水を足して、挽いたコーヒーの中心に少しずつ注ぎ、キノコのように膨らませます。
D 数滴下に落ちたら注ぐのを止めて30秒ほど蒸らします。
E 再度ゆっくりと注ぎます。 少なめから始めて次第に増やすように注ぎますが、落としきると不味く なりますので、常にお湯が張った状態で目的の量に達したら、ドリッパーをサーバーからサッと外します。
プロからすれば滅茶苦茶
かもしれませんが

 私がやっている事は、珈琲のプロからすればとんでもない方法かもしれませんが、2000年から始めてあれこれ試行錯誤してようやく自分なりに満足できるものになりました。喫茶店やコース料理の後に出てくる珈琲が自宅よりも美味しいと言う事は滅多にありません。 我が家は良質な井戸水で珈琲を飲んでいるのが、美味しい理由かもしれません。

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