ハイパーベンチレーション

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ジャックマイヨールとイルカ

 先日の京都ルンルで、私(HP管理者)が無呼吸潜水のジャック・マイヨールについて話した中で大事な情報を漏らしていました。ジャック・マイヨールは潜水の前にヨガのポーズで座り、かなり長い時間をかけて静かに極限まで息を吐き続けました。ダイビングの世界ではハイパーベンチレーションと呼ばれる技法です。私が20代の時にダイビングの先輩から、肺には二酸化炭素の入った小さな部屋があって、呼吸を司るスイッチになっている、ハイパーベンチレーションでその部屋の二酸化炭素を排除したら苦しくならない、但し非常に危険な技法だと教えられました。長く息を止め、限りなく死に近づいた状態はトリップと言うか深い変性意識を誘発します、ジャック・マイヨールが近寄ってきたイルカと会話ができたのは、そのような意識の状態になっていたからです。植原先生が呼吸停止して変性意識に陥っていたのは、限りなく息を吐き出して、ジャック・マイヨールのハイパーベンチレーションと似た状況をつくり出したと考えられます。苦しくなくても自分の意志で水面に浮上し呼吸を再開しないと、死んでしまう事は言うまでもありません。その前にブラックアウトと言う現象が起こって意識を失います。陸上であれば、ブラックアウトで意識を失っても身体の防御反応が働いて、呼吸は再開されます。ネット上の説明では、ハイパーベンチレーションは過呼吸の一種で酸素分圧が上昇するので、息堪えが長くなると書かれていますが、それほど単純なものではなさそうです。どちらにしても私達は二酸化炭素が無いと、僅かな時間で死んでしまいます。生存に必要な二酸化炭素を悪者にし、身体にとっては異物であり毒であるアルコールを賛美する今の社会を、スポーツをしなければいけない、笑わなければいけない、体臭等で周りの人を不快にしてはいけない、若々しく元気そうに振る舞わなければいけない・・・等と言う強迫観念に駆られずに、醒めた冷静な意識で眺める必要があります。

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