残された1本の木

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大きな木
 古い市営住宅が取り壊されて20年近く経過し 空き地には様々な樹木が育っていました。タイヤのブランコがぶら下がっているものも ありました。今でも住民が住んでいる家が数軒あり、空き 地は住宅を挟んで3箇所に分かれています。朝の犬の散歩は3箇所の空き地を順番に 回るのがコースになっていました。  

 3ヶ月ほど前にそれらの空き地の草が綺麗に 刈り取られました。暫くすると一本の木を残して全部切り倒されて いました。

 それから数日経った朝に犬を連れて空き地に 行くと、大きなクイが端から端まで打ち込まれていて、太い針金が4段に張られていました。乗り越えたり、くぐるには都合の悪い高さで 横から入れないように丁寧に処理されています。  

 市の公共事業の為に立ち退きになって、 この空き地の端に代替地を貰って住んでいる 知人が花の世話をしていたので声を掛けました。「空き地が入れんようになったけど何かしはるんやろか?」 すると知人は 「余り予算の解消の為や、何にも予定は無いと思う」 と言いました。犬がウンコをするパターンは決まっていて、空き地 めぐりの儀式は欠かせません。

 ルンルと巡り合って、全ての力を緩める経営を始めて利益が沢山でるようになりました。すると税金も沢山払わなくてはなりません。その税金が、犬のウンコ場所に入れないような使われ方をしたわけです。  

 それにしても、何故この木だけ残されたのでしょう?

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