ルンルの会
やくざのおっちゃん
1999年4月

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大正時代の入れ墨画像
 道(私道)に面した会社の倉庫で、小学生の造った陶芸作品に釉薬を掛けながら、カセットテープを大きな音で再生していました。Hさんから戴いたテープで、元・大谷大学学長広瀬杲さんの「阿弥陀教の心」です。ボーと殆ど眠った状態で作業をしていたのですが、何かの気配を感じて道の方を見ました。一目でかたぎではないと分かる大柄なおっちゃんが、黒いジャージ姿でこちらを見ています。30年近く前は『くりからもんもん』のヤーさんダイバーが沢山いて、一緒に潜ったことも何度かあり、ヤクザに違和感はあまり感じません。作業に興味が有るのだろうと思い、小学生の作品やねと話しかけました。  

 帰ってきた返事は予想外のものでした。「良いテープ聞いてはりまんな。こんな時代になると説法を聞いて勉強するのは大事な事でんな」と彼は言いました。「極道して身体中彫りもんだらけやけど、ええ先生に巡り会うて今は社会福祉協議会の手伝いをさせてもろてまんねん」。それから教育のことや、生き方の話しやら一時間近く立ち話です。一番印象に残ったのは、「極道の道に入ってくる若い子には、ええ子がぎょうさんいまっせ、ええ子すぎて仲間外れにされたり、先生に分かって貰えんとグレてしまうのや、かわいそうなもんや」。今までヤクザの世界をそのような角度から聞くことがなかったので、互いに「ええ話しができて、勉強になりましたわ、おおきに」ニコニコと何度も手を振りながらさよならしました。

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