ビンロウジ
とキンマ

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立て札を見て思い出しました 黄色くなった実は役に立ちません
近くの植物園の温室にて
近くの植物園で思いがけないものと再会しました
  ダイビングツアーで海外に行った時には、必ず現地の嗜好品を試す事にしています。それが日本で合法か非合法かは特に考えません。ヤップ島でビンロウジの種に石灰をかけてキンマの葉で包んだものを試しました。現地の男達とおばさん連中は、ほぼ全員が口の中を真っ赤にしています。道路は、噛んでいるうちに湧いてくる大量の唾液を吐き散らすので赤茶けています。現地に住んでいる白人は誰も試そうとしません。日本人の旅行者も口を赤くしている人は見たことがありません。
 一緒に行ったツアーメンバーはかなりの曲者ぞろいですが、これだけは誰も付き合ってくれませんでした。口の中が荒れて出血しているように見えるので恐れをなしたようです。  食べ方は緑色で親指大のビンロウジを一個手にとって歯でヘタの部分を齧り取ります。次にバリッと二つに割ります。たぶんサンゴが原料になっていると思われる石灰の粉末を、マスタードの容器に入れたものを取り出してプシュプシュと吹き掛けます。二つに割れた表面が白くなる程度で十分です。
 ホットドッグの要領で閉じて一枚のキンマの葉でクルクルと巻いて出来上がりです。噛み砕くと、渋みが口の中いっぱいに広がります、同時に驚くほど大量の唾液が湧き出します。適当な量になったら唾液だけをその辺にブッシュと飛ばします、本当に血のように真っ赤な液体が道や、ダイビングボートの縁に放射状にくっ付きます。
 傍から見ている旅行者の目には喀血しているように映っている事でしょう。繊維がばらばらになるまで噛んでいても甘くなる事はありません。いいかげん飽きてきたら繊維の塊をベッと吐き出します。繊維の滓が無くなるまで何度も何度もプップッと飛ばします。すると驚いた事に、朝忙しくて磨かなかった歯がツルツルになっていて実にさわやかです!!
そうなんですこれは虫歯予防には最高に効果があります。
 ミクロネシアの小さな島々では、歯医者さんに行く事は大変な大仕事なのです。同時に、口臭を消し、素晴らしい胃腸薬の役目も果たすようです。現地には無収入の人がいっぱい暮らしています、彼らにとってタバコやお酒は日常簡単に入手できるものではありません。太古の昔から人類は様々な嗜好品を、吸ったり飲んだりして楽しんできました。有害なものも在ったかもしれません。しかし、その殆どは口にする本人も気がついていないような何らかのプラス効果があったと推測されます。
 どこかの国の大統領選挙で、或る嗜好品のメーカー団体が負けた候補を支持していた為に抹殺されかかっているという物(煙草)もあります。いわゆる先進国から来た人達は、後進国と見なしている人達のこのような嗜好品を、取るに足らない何かの代用品と思っている事でしょう。
 石灰を振り掛けると言う行為が、いつの頃から始まったのか調べた訳ではありませ
んので推測にしか過ぎませんが、ペーハーを調整して内臓に負担をかけずに様々なプ
ラス効果を引き出したものと考えられます。手近に薬や病院があるために、この様な知恵の伝承が途切れてしまった私達の文明は、本当に進歩しているのでしょうか?

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