ルンルの会
点探しの旅
1997年8月

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童女観音
 ルンル仲間と愛媛県温泉郡在住の画家、K画伯のお宅を訪問しました。倉敷の瀬戸大橋に面した山の上にある備前焼王子窯のH先生の工房で2泊し、瀬戸大橋を渡って道後温泉にのんびり浸かり、隣のレストランで地ビールを一杯ひっかけてから良い気分で訪問させていただきました。と言いますのは、王子窯がある王子 が岳があまりにも素敵な場所で、寝袋にくるまって二日目の夜を展望台で過ごしたからです。大きな筆で、雲に横一文字朱を入れた様な神秘的な日没。ところがUFOが見られると期待した夜空は一面雲に被われています。  

 そこで地場浄化名人の尼僧Yさんが般若心経を良く通る声で数回唱えると、あら不思議みるみるうちに雲のカーテンは取り払われました。それからは流れ星の大スペクタクルが一晩中繰り広げられました。そして空全体を染めあげるような荘厳な朝焼け。蚊の猛攻がようやくおさまって、安心したM嬢は汗まみれになってこんこんと眠り続け、妻を残して一人車の中に逃げ込んだKさんはニヤニヤしながら現れます。そんな訳で、前夜の疲れと汗を洗い流す為にまず温泉だったのです。

  最初に、玄関の真向いにある女神像が両手を差しのべて私達を出迎えます。これは近くに住む石の彫刻家、MさんがK先生の為に制作したものです。先生の温かい笑顔と、優しい奥様の微笑みで案内された客間の床間には素敵な掛軸が掛かっています。先生が直感に基づいて一気に描きあげた宇宙図に先日気功家、浦田紘司先生が氣を入れられたそうです。どうして童女観音を描くようになったかのいきさつを聞かせていただいた後にアトリエに移動しました。優しく、愛らしい童女観音の屏風が何枚も並べられた空間は人を夢の世界に誘います。「これは人に見せたことは無いのですが」と始められたエネルギーに満ちた制作パフォーマンスに私達のチャクラは刺激されっぱなしです。  

 そして次々に描かれた6枚の色紙は私達へのプレゼントでした、ラッキー!!不思議なことに戴いた絵は、各人の今にぴったりの図柄になっています。次は自分も制作に参加するという、生まれて始めての体験です。最初に先生が一筆入れて、次に自分が入れたい図柄を描き込みます、それを見て先生が又一筆入れます。最後に自分はここに入れたいという位置に点を書き込んで完成です。

  「これが、貴方の世界です」と言われて、あ!そうなのか・・・そのようにして全員「私の世界」を完成させ、これもプレゼントされました!!そして本題の「点」の話です、ピカソの晩年の絵が印刷されているカレンダーが広げられました。「12枚の絵には大切な点が描き込まれています」、それから皆で「点」探しです。
  絵の中に溶け込んださりげない点であったり、サインの前に書き込まれた意味が無いように見える×印であったりします。試しに指でそれを隠してみると、途端に絵が光を失います。 これは命を吹き込む点だと感じました。どうしても点が見つからないときにはカレンダーとして吊り下げるために空けられた穴を指で隠してみると点が見えてきます。  

 だから不必要な要素が加わるだけで見え無くなる完璧な点なのです。これは衝撃的なヒントでした「点」が入った音楽、小説、映画、野菜、製品、会社、サークル、人間の生き方、行動。「点」入れのコツを体得している方もあれば、無意識の内に「点」が入っている方もいることでしょう。
  だけど殆どの人はそれが見つからずに右往左往しているように思います。偶然に「点」が入っても、人に持ち上げられ尊大になり点が見え無くなることもあるでしょう。 「もののけ姫」のテーマソングの出来るまでがドキュメントされていましたが、なかなかイメージにピッタリした表現にならなくてスタッフも米良美一さんも疲れ切った時に宮崎さんがあるヒントを告げ、米良さんが力を抜いてフワーと唱い始めたときに、これだ!となったのです。

  これは「点」又は「命」又は「光」が入った瞬間でしょう。 考えてみると、これは植原先生がルン・ルの度に繰り返し言われていることです!!
 ルン・ルは流動し続ける「点」を自然に捉える一つのコツなのでしょう。「点」がまだ明確に掴めていないのでうまく説明できないのですが、この旅は大きな何かを残しました。最後に「点探しは、私にとって永遠の仕事です」と菅野先生がつぶやかれたのが印象的でした。次の日に先生以下8名の松山在住の素敵な方々を王子が岳の浜松先生の工房に案内するというオマケも付きました。

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