かぼちゃの話

1997年7月

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ハロウィンのかぼちゃ
 最近我が家を訪れるお客様には家庭菜園のかぼちゃを見ていただいております。1本の枯れた苗の隣で、元気な4本のかぼちゃがぐんぐん枝を広げています。話は今年の2月に遡ります。どうしても自分でEM野菜を育ててみたいと考えていた時に、シンセサイザーのYSさんから久留米コンサートツアーのご案内を戴きました。久留米と言えば大分のなずな園が近いじゃないか!赤峰勝人さんの「ニンジンから宇宙へ」には、なずな園に行けば黒い土を分けて貰えると書いてある。早速電話を掛けてみましたところ、感じの良い女性の声で「赤峰は当日講演のために出かけて不在ですが、来ていただければ幾らでも土はお渡しします」との事。

 夜行バスで大分からバスを乗り継いで野津町に着いたのは午前6時でした。思ったよりこじんまりとした「なずなショップ」には人の気配が有りません。近くに農園があると書いてあったので、道路を隔てた丘陵地帯にある畑の中で草だらけのものを探せばいいやと、ぶらぶら歩き始めました。 それはすぐに見つかりました、真っ黒なフワフワの土と背の低い草達の間にカブが顔を見せています。断る人影もないので「戴きます」と言って一本引き抜きました。土をぬぐって一口かじったら「うーん甘〜い」、何とも言えない鮮烈な健康感。2時間ほどブラブラしてからショップに戻りかけるとオッ!車が止まっている。店はまだオープンしていませんが中に人の気配があります。

 「おはようございます」!「は〜い」電話でお話した女性らしい方が顔を覗かせました。「京都から来ました、EMのKNさんの友達です」。すると奥から小柄でがっしりとした身体つきの柔和な顔をした男性が表れました。 差し出された名刺を見ると赤峰勝人となっています、ラッキー!
 講演のために福岡に出発されるまでの30分間、聞かせていただいたお話で私の計画をかなり軌道修正することになりました。一言でいえば自然に委ねてずぼらをかます。これは、私が趣味の範囲でするから言えることなのでしょう。

 とりあえず、EM農法と赤峰さんの農法の一番楽なところだけ戴いて5月中旬から種蒔を始めました。それから1ケ月半、ホウレン草の種蒔が遅すぎてあまり大きくならない事を除けば、他の7種類の野菜の成長の凄いこと。すでに大根、ジャガイモ、胡瓜、インゲン豆、ホウレン草は食卓に上がりました、それは「なずな農園」でかじったカブと同じ何かを感じさせます。

 そこで話は最初に戻ります。赤峰さんの話と、買って帰ったビデオを見た事から私がやったことは、虫も神であると認識して一切の防虫策をとらないことでした。EM処理したかぼちゃの種を5ヶ所に植えました。全部芽が出て13センチぐらいの高さに育った頃に、我が家の2匹の犬がその内の一本を踏み倒してしまいました。 間が空いてしまうのも寂しいので25センチぐらいに育った苗を一本 買ってきて植えました。種から植えた他の苗の倍の大きさです。しばらく経つと5本とも下の方の葉っぱが虫に喰われ始めました。それから10日程経つと妙な事に気が付きました、苗を買って植えたものは出る葉の全てに虫が付くのに、種で植えた方は下の葉より上には虫が付かないのです。

 ある朝、苗で買った方の付け根に真っ黒な何かがかたまっています。亀虫が8匹付け根に噛みついているのです、3日間掛かって彼らはその苗を完全に倒してしまいました。そして今、4本のかぼちゃは傍若無人な勢いで畦の外まで枝を広げています。蝶や蜂がいっぱい飛んできて小さな丸いかぼちゃの赤ちゃんも何個か認められます。そして、倒された苗は完全に茶色く干枯びて土に同化しつつあります。やっぱり神虫さんは、本当に健康な野菜には手を出さなかったのです。農家の方から見れば何でもないことかも知れませんし、色々な理由を考えられるかも知れません。しかし、生まれて始めて畑に取り組んで、8種類の野菜からこの様な実体験をさせてもらったことが嬉しくて、楽しくてたまらないのです。


上の文章から18年後の心境
 この頃はよくあちらこちらと出かけていました。精神世界にどっぷり浸かっていると、有名な誰かに会えば意識の次元が高まると錯覚しがちです。18年後の今は日常生活の中に気付きのチャンスは無数にあると分かりましたので、偉い先生に会いに行く事はなくなりました。赤峰さんと会った事は記憶からすっかり消えています。ところが自力で気付いた事は何年経っても忘れません。いくつになっても常に偉い先生を追い求める人達もいますが、それが趣味になっているのなら、何も言う事はありません。 ルンルの会に参加し続けているのは、るん・ると言う弛みの技術が進化し続けているのが面白いからです。

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