少年犯罪について
考えるヒント

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本の表紙
10年前に出版された、文化人類学者、上田紀行氏が書いた本です。
 取り上げている事例は少し古いのですが、少年犯罪に関する記述 は今の状況を理解するのにヒントになると感じました。罫線の内側は内容をコピーしたものです・・・・
「癒されない子どもたち」の悲劇
 教室の中では、「透明」な存在でなければいけない。自分とはそもそも何がしか「色つき」の存在であり、個人の体臭や癖などのノイズに満ちた存在である。しかし、その「自分らしさ」を出してしまうと、教師から叱られ、仲間からもいじめられ、排除される。そうした状況が現在の学校には蔓延している。自分を出すと、必ず嫌われる。自分の意見を言うと、必ず排除される。それは人間にとって根源的な抑圧である。

 本当の自分は、絶対に他者から認められることはないし、愛 れることもない。だから仮面をかぶってごまかし通す。それは自己欺瞞であり、人間にとって根本をなす「自己イメージ」を最大限に傷つけることとなる。それは、同時に自分自身に対する深い無力感を生み出す。自分自身を隠蔽し、権威に対しては服従しなければならない。自分自身の力では何も変えられない。

 そこでの「他者イメージ」は自分を監視する存在であり、自分を出すとすぐさま攻撃してくる存在である。その他者との本質的なつながりは生まれず、自分を偽ってのみ、自分は生きながらえることができる。誰もほんとうに自分のことは分かってくれない。それゆえ、その状況は、深い孤独感も、 もたらす。

 「癒し」という観点から見れば、「癒し」の対極にあるものこそが、この無力感と孤独感である。その二つにさいなまれるとき、われわれの生命力は衰え(実際に体内の免疫力や自然治癒力は劇的に低下する)、われわれは自己の存在感を内的に認識することができない。ここで大きな問題となるのは、そのような状態で、自己の存在感の回復という根本的な「癒し」がもたらされない場合、われわれは「自分を傷つける」か「他者を傷つける」かのどちらかで、何とか自分の存在感を確保しようとすることである。


 14歳のバスジャック少年、頻発した親殺しの少年達、秋葉原の犯人もこの本が執筆された当時は中学生だった訳で、記述されているような状況の中で少年期を過ごしたものと思われます。考えたからと言って自分が何かできると言うわけでもありませんが、子育てをしている人にはヒントになるのではないでしょうか。

大人も状況は同じではないでしょうか
 仮面をかぶっている事に、自分では気付いていない大人も増えているようです。常に他人の目を気にし、常識があり、元気で人付き合いの良い大人を演じている人が、大変多いように感じます。

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